12月13日、京都文化博物館で「忍者武芸帖 百地三太夫」上映後、「るろうに剣心」のアクション監督の谷垣健治さんによるミニトークが行われました。
聞き手は、東映の高橋剣さんです。

谷垣さん:「忍者武芸帖 百地三太夫」は、34年前の映画ですね。

「カムイ外伝」を撮影した時、松山ケンイチさんにこれや「里見八犬伝」を参考に見せたら、真田広之さんがこんなに動けるというイメージがなかったみたいでびっくりしてました。
そういえば小雪さんも知らなかったそうで、「ラストサムライ」で共演した時にもっと聞いておけばよかったって(笑)。

真田さんは、お酒を飲んだ翌朝でも、10キロくらい走って身体を整えてから現場に来るって話を聞きました。
カッコイイですよね。JACの全盛期で、身体キレッキレで。

昔、僕の監督作で、千葉真一さんに会った時に「カムイ伝やらないか?」って言われました。
他の話で行ってるのに(笑)

「百地三太夫」のオープニングを見る と、カムイみたいですよね。
小船に乗ってきて、魚獲って食って。五右衛門が釜茹でになる時の戦い方とかも。

鈴木則文監督が、キネマ旬報で「るろうに剣心」について書いてくれています。
「楽しませるためにあらゆる手段を使ってる。私も30年前に、殺陣ではなくアクションを売りにした映画を作った。あの時のことを思い出して感慨深い」という内容です。
鈴木監督はアクション監督と監督っていう体制を始めたパイオニアです。確か「アクション監督」というクレジットが初めて使われたのは「戦国自衛隊」で次がこの「百地三太夫」。

それから東映は、アクション監督と監督という流れがずっとありますね。
東宝に、特技監督と監督という流れがあるように。

この規模の映画を作ろうと思ったら、殺陣だけではなく、いろんなフィジカル要素が必要になってくる 。
この映画のアクション監督は千葉真一さんですが、そういえば倉田保昭さんにも出演オファーがあったらしいです。見たかったですね。

京都で時代劇を観るというのは、良いですよね。
作中の仁和寺とか今でもそのままですし、映画の帰りにロケ地巡りもできます。

時代劇は足場が悪くて、アクションが大変なんですよね。
真田さんが幼馴染と喧嘩するシーンは裸足ですけど、バク転する時、よく見ると靴を履いてます。
千葉さんが倒れる時も、痛くないように、地面をならしてあったり(笑)

高橋さんに聞きたいのですが、これって制作費いくらかかってます?

高橋さん:『将軍家光の乱心 激突』が5億円ですが、『百地三太夫』はそこまでかかってないので、3~4億くらいです」

谷垣さん:馬と人の数が今とは圧倒的に違いますよね。それに、真田さんの魅力が満載で。

ストーリーと関係ないところで、真田さんがグルグル回っていて、敵の弾が当たるだろ! と思いますよね(笑)
三人で連結して「人間風車」とかね。あれ、必殺技になってない(笑)

高橋さん:真田さんの裸が綺麗で

谷垣さん:そのための映画ですよね(笑)

修行シーンが「少林寺」っぽい。セット感があるところで、春夏秋冬過ぎていくのとか。
東映のセット感って、どうにかならないんですか?(笑)
木村大作さんが、広角では 撮れないから、望遠にしたくらいですよ。

僕が言うのも差し出がましいのですが、音楽をちょっと差し替えたいですね(笑)。

映画って、時間が経っても古びなくて面白いものもあれば、時間が経つと、ん? と思うものの二種類がありますね。

真田さんは、アクションスターとして映画に出たのは「吼えろ鉄拳」「燃える勇者」「里見八犬伝」など数本です。
その後、「道頓堀川」「麻雀放浪記」などで役者路線に進みます。
「百地三太夫」などのアクション路線は、去年やっとDVD化されました。

これと「龍の忍者」を見ると補完関係で面白いですね。
あっちは、忍者が海を渡る話で、こちらは明の人に助けてもらった主人公が戻って来る話で。

今の役者さんにお手本にしていただくには、この頃の真田さんは凄くいい例です。
演技もできて、バリバリにアクションも出来て。

真田さんとは1回お仕事してみたいです。

ジャッキーが「真田とは30年来の友達で」って言ってて、どこで知り合ったんだろう? と思っていたのですが、台湾でコリー・ユンが「龍の忍者」撮ってる時に、ジャッキーは台湾で「ドラゴンロード」撮ってたから、現場が近かったんだと思います。
アジアの映画界、人間関係が色々繋がってるんですね。
東映さん、僕と真田さんの縁をつないでください!