『忍びの者』
NINJA, A BAND OF ASSASSINS
社会派・山本薩夫が手がけた忍者もの! 小作人出身の忍者の宿命と悲哀を描く傑作

『忍びの者』

監 督:山本薩夫

出 演:市川雷蔵、藤村志保、伊藤雄之助


制作国:日本

放送年:1962

時 間:104min

言 語:日本語

あらすじ

戦国末期、延暦寺や石山本願寺を攻撃した織田信長は、伊賀忍者たちの怒りを買った。忍者の中で勢力を二分する百地砦の三太夫と富士林長門守は、それぞれの配下に信長暗殺の密命を下した。三太夫は妻のイノネと五右衛門を密通させ不義を働いたとして妻を殺害、五右衛門に代償として信長暗殺を命じる。京に出た五右衛門は信長の命をねらうが…。

みどころ

印もドロンも煙幕もない『忍者』のイメージはここに始まった。党派のお頭に忠誠を尽くし、技能でもって戦国武将に金で雇われる助っ人集団であり、平時は田畑に生きる百姓であり、ヒエラルキーに翻弄される勤め人として描かれた忍者たちは、高度成長期のサラリーマンのネガでもあった。その辛口が映画のリアリティを支える仕掛だが、忍者キャラクターには、リアルよりキャッチーな黒装束を選んだとろに山本薩夫監督の閃きが感じられる。色仕掛、なりすまし、といったのちの忍者映画を進化させるネタもここに見出される。本作に続く一連の”リアリズム”忍者映画や柴田錬三郎などの時代小説を呼ぶエポックとなった作品。