『暮れ逢い』
監 督:パトリス・ルコント
出 演:レベッカ・ホール、アラン・リックマン、リチャード・マッデン
制作国:フランス、ベルギー
制作年:2014年
時 間:98min
言 語:英語
字 幕:日本語
配 給:株式会社コムストック・グループ
あらすじ
1912年。初老の実業家ホフマイスターの屋敷に、秘書として青年フリドリックがやってくる。一つ屋根の下で暮らすうちに、若妻ロットとフリドリックは惹かれあうが、触れあうことはもちろん、愛を口にすることも出来ず想いだけが募ってゆく。突然、フリドリックの南米への転勤が決まったとき、お互いに胸にしまいこんでいた気持ちが溢れ出し、初めて想いを伝え約束を交わす。「2年後、戻ってくるまで、変わらぬ愛を誓おう」と。しかし、まもなく訪れた第一次世界大戦によって運命は大きく揺れ動く――。
みどころ
女優を美しく描くことに定評あるパトリス・ルコントの最新ラブストーリー。1900年代初頭の上流社会における華やかな衣裳や調度品が彩る舞台での、『それでも恋するバルセロナ』のイギリス人女優レベッカ・ホールによる若妻の甘い憂鬱が悩ましい。秘書の青年と若妻を遠めに眺めている実業家の夫、アラン・リックマンのしたり顔は谷崎潤一郎の世界にも通ずる。病弱な夫の看病をしつつ、青年の欲望をたたえた視線の強さに抗えず、運命にのまれてしまうふたりに第一次世界大戦が立ちはだかる。詰められない距離に身悶える特権的なメロドラマの瀬戸際で、レベッカの感情が抑えきれず溢れていくさまをさりげなく描いてみせる、ルコントの水彩タッチに酔いしれて欲しい。