『ベル-ある伯爵令嬢の恋-』
監 督:アマ・アサンテ
出 演:ググ・バサ=ロー、トム・ウィルキンソン、サム・リード、サラ・ガドン、エミリー・ワトソン
制作国:イギリス
制作年:2013年
時 間:104min
言 語:英語
字 幕:日本語
発売元・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社
※DVD上映
あらすじ
18世紀英国。海軍士官のリンジー卿は黒人女性との間に娘ベルをもうけ、叔父で主席裁判官のマンスフィールド卿に養育を託す。肌の色から彼は断るが、姪孫エリザベスの話し相手として引き取り、ふたりの娘は姉妹のように仲良く育つ。しかし、その肌色ゆえ社交界でのディナーに同席を許されないベル。その悲しい現実に戸惑っていたところ法律家志望の青年ジョンと出会い、ゾング号で起こった黒人奴隷をめぐる非人道的事件について知る。事件は裁判沙汰になり、マンスフィールド卿が判決を出すことに。そんな最中、ある貴族の青年がベルに求婚。しかし、ジョンと心を通わせるうち、伯爵令嬢としてではなく本当の自分を愛してくれるひとは誰なのか、ベルの心は大きく揺れ動く…。
みどころ
2007年、英国の奴隷貿易廃止200年を記念し、ベルとエリザベスが描かれた絵が公開され、その存在が明らかになった女性ダイド・エリザベス・ベルの物語。現在も続く英国名門貴族であるマンスフィールド伯爵家で長いこと隠されてきた、義理の父娘と歴史の転換期を描く物語として、社会派ドラマも選べたところを、黒人女性監督アマ・アサンテはそうはしない。財産と婿さがしが大きなテーマであるもののジェーン・オースティン風ラブコメではなく、白人だが財産もない又従姉を置いて、身分社会が厳然とするなかでのヒロインの選択を際立たせて見せる。“観るべき10人の監督たち 2014”(「ヴァラエティー」誌)に選出された監督の演出は手堅い。