『黄金』
GOLD
― 地の果てに黄金はあるのか。ドイツ映画作家が紡ぐ、力強く静謐なロードムービー ―
監 督:トーマス・アルスラン
出 演:ニーナ・ホス、マルコ・マンディク、ラルス・ルドルフ、ウーヴェ・ボーム、ピーター・クルト、ローザ・エンスカート、ヴォルフガング・パックホイザー
制作国:ドイツ
制作年:2013年
時 間:113min
言 語:ドイツ語・英語
字 幕:英語・日本語
海外配給:THE MATCH FACTORY GmbH
あらすじ
1898年夏、クロンダイク・ゴールドラッシュに沸くカナダ。エミリーは、ドイツ人入植者たちと共に、北部で新たに発見された金鉱のドーソン行きを決める。7人は案内人に全財産ともいえる大金を渡し、新たな人生を求めて列車の終着駅を後にした。 彼らの目の前に広がるのは、果てしなく続くカナダの荒野。誰も知らない2500キロの旅路の中、地図はあてにならず、悪路に荷馬が怪我をする。それでも男女は、黙々と旅を続ける。
みどころ
ハードボイルドとはこういう映画をいうのだろう。寒さを増す季節に北に向かうドイツ人入植者たち。金を目当てに群がった年齢も背景も様々な七人のなかに、女が一人。金鉱の噂を信じきれずに脱落するもの、旅に耐えられない夫婦、行き交う先住民を恐れて引き返す者もいる。しかし女は何も云わない。わずかに残った連れが罠にかかって破傷風になれば黙々と脚を切り落とす。映画にもいろんなヒロインがいるものの、これほどクールな女性像は稀だ。北の果ての旅路に清らかな諦観を見てしまう佳品。第63回ベルリン国際映画祭 コンペティション部門でワールドプレミア上映。