2013.11.30
『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』作品解説@京都文化博物館
作品上映後に、松竹撮影所きってのダリオ・アルジェントファンである山田智也さんによる作品解説が行われました。

ダリオ・アルジェント監督は、イタリア生まれの73歳。
父は映画プロデューサー、母はカメラマンという映画一家に生まれました。
学校の宿題を撮影所に持ち込んでしていたくらい、身近に映画がある環境だったようです。
はじめは映画批評などの仕事からスタートし、のちに脚本家、そして映画監督という道を歩みます。
監督デビューは、1969年の『歓びの毒牙』。
その後、代表作となる『サスペリア』は、カメラマンや照明技師の方など、
映画関係者が好きな映画として挙げることが多いそうです。
そして今回、『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』が
ヒストリカで日本初上映されたわけですが、上映後で作品解説をして下さった松竹撮影所の山田さん、
山田さんのご感想によりますと、ホラーの割には全体的に色調が明るい印象を受けられたとか。
これは、3Dカメラで撮影されたことが大きな要因のようです。
この3Dカメラという機械は、現場の立場からすると、中々扱いの難しいものだとか。
ですが、73歳という年齢にして、どんどん新しい技術に挑戦するアルジェント監督はやはりすごい!ということ。
アルジェント作品らしい、というよりは実験的な作品だったのかもしれません。
ちなみに監督の娘さん、女優のアーシア・アルジェントが本作にも出演しています。
ミーナ役のマルタ・ガスティーニさんもそうですが、綺麗どころの女優さんは、
皆最終的には脱がされてしまうのかな?と心配しましたが、
マルタさんはそうではなくて少し安心しました…(笑)
ここで、個人的な感想を少し述べさせて頂きます。
先ほど触れました、3Dカメラのせいかもしれませんが、全体的に色が鮮やかといいますか、
おとぎ話の世界のような雰囲気を作品全体に感じました。
特に、緑色と黄色が印象的に使われていた気がします。
緑はやはり林の木立、そして家の中の壁の色などに多用されており、
とてもシックな雰囲気を醸し出していました。
そしてキャンドルが使われているシーンでは、殆ど全ての物が黄金色に輝いているようで美しかったです。
ロケはブダペスト、ルーマニアの村などで行われたそうで、
いかにもドラキュラといいますか、ある意味これがヨーロッパ版の時代劇的な立ち位置のお話になるのかな、と思いました。
そして、恐れていたよりはグロくもなく、普通に鑑賞することができました。
ホラー映画マニアの方には、もしかしたら少し物足りなかったかもしれません。
ボランティアスタッフ さたかおる