HISTORICA SPECIAL GUEST

ヒストリカ スペシャル

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トミー・リー・ジョーンズ〔監督・俳優〕

ハーバード大学卒業後、ブロードウェイの舞台で演技を磨き、『ある愛の詩』(70)で映画デビュー。その後、80年代の後半から敵役などで注目され始め『JFK』(91)、『沈黙の戦艦』(92)を経て『逃亡者』(94)のジェラード役でブレイク、アカデミー助演男優賞を受賞する。以後『メン・イン・ブラック』シリーズ(97~12)、『スペース・カウボーイ』(00)などでコミカルな面を見せるなど、第一線で活躍する。05年のカンヌ国際映画祭コンペ部門では、監督・プロデュース・主演作『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』で男優賞を受賞。日本では、『メン・イン・ブラック』でエイリアンを取り締まるエージェントを演じたジョーンズにちなんだ“宇宙人ジョーンズ”のCM(06~)も話題に。『告発のとき』(07)でアカデミー主演男優賞、『JFK』(91)、『リンカーン』(12)で同助演男優賞にノミネートされた。

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ショーブ・ヤーラガッダ〔映画プロデューサー〕

インドのハイデラバードとバンガローを拠点とする、TV・映画製作のリーディングカンパニーのひとつ、アーカ・メディア・ワークスのCEOであり共同設立者。同社はこれまで興行的に成功を収め、高い評価を得ている作品を多数プロデュースしている。S.S.ラージャマウリ監督による2部に渡る『Baahubali』は2015年の7月に世界にリリースされ、インドで最も興行収入をあげた作品の一つとなった。待望の続編は2017年夏に公開予定。ショーブは、数々の作品やブランドを手がけた経験から全方位対応可能なマーケティングエージェンシーであり、その探求心は趣味でも生かされ料理の研究にも熱心。

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飯星 景子〔作家・タレント+ヒストリカ・ナビゲーター〕

1963年、大阪府東大阪市生まれ。情報番組のコメンテーター、新聞や雑誌の連載等、幅広く活躍中。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。多種多様な趣味を持ち、芸能界屈指のフィギュアスケート・歌舞伎・落語通であるほか、映画に関する知識も豊富。特に、カンフー映画や武侠映画の熱烈なファンであり、第8回京都ヒストリカ国際映画祭ではトークショーなどを通じて、歴史映画の魅力を紹介する。

HISTORICA FOCUS GUEST

ヒストリカ フォーカス

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中島 貞夫〔映画監督〕

1934年8月8日、千葉県生まれ。映画監督。東京大学在学中に、倉本聰らと「ギリシャ悲劇研究会」を結成し演出を担当。卒業と同時に東映入社(59)。入社時に「おまえ、ギリ研か。ギリシャは古典、古典は時代劇や」といわれ、京都撮影所配属に。『くノ一忍法』で監督デビュー(64)。京都市民映画祭新人監督賞受賞(65)。67年よりフリー。やくざ、風俗、任侠、時代劇、文芸もの、喜劇など作品は多様。代表作は『893愚連隊』『木枯し紋次郎』『日本の首領』3部作、『真田幸村の謀略』『序の舞』(インド国際映画祭監督賞受賞)、『極道の妻たち』シリーズなど。牧野省三賞(06)、映画の日特別功労賞(15)ほか受賞歴も多い。最新作は『ちゃんばら美学考~時代劇は死なず』(05)。

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福本 清三〔俳優〕

1943年兵庫県生まれ。1958年、東映京都撮影所に入所。以来60年近く映画・TV時代劇(『水戸黄門』、『暴れん坊将軍』)を中心に活動を続けて来た“斬られ役”俳優。殺陣技術集団「東映剣会」所属。2003年公開、トム・クルーズ主演・米映画『ラストサムライ』に抜擢されたことで注目を集める。自らの半生を語った回顧録『どこかで誰かが見ていてくれる ~日本一の斬られ役・福本清三~』(01)もベストセラーになり、2012年には中学校道徳副読本にエッセイが収録された。2014年には初主演となる映画『太秦ライムライト』が公開され、国内に留まらず北米を中心に海外でも高い評価を得る。2004年日本アカデミー賞協会特別賞、2015年京都府文化賞・功労賞受賞。

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菅原 俊夫〔殺陣師〕

1940年新潟県生れ。1961年、東映京都撮影所に入所。殺陣技術集団「東映剣会」会員に名を連ね「斬られ役」として頭角を現わす。1973年には映画『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』で殺陣師としてデビュー。以来、40年に亘り映画は勿論のこと、テレビ時代劇でも『水戸黄門』に代表される東映時代劇伝統の華やかな立ち回りから、一世を風靡した『影の軍団』シリーズでの独自のアイディアとケレン味に溢れたアクションに至るまで、それまでの常識に囚われない多彩な「殺陣」を指導。現在もそれら映像作品と平行して、商業演劇から宝塚歌劇まで様々な舞台でも活躍中。 2013年に日本アカデミー賞・協会特別賞を受賞。

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坂本 頼光〔活動写真弁士〕

中学時代より活動写真弁士を志す。2000年に、『鞍馬天狗』でデビュー後、映画館、寺社仏閣、寄席等様々な場所に多数出演。これまでに説明した作品は約70本。2010年にはアメリカのエール大学他五大学で無声映画公演、2012年にはフランスの映画保存機関シネマテーク・フランセーズの上映会に招聘される。また、自作のアニメーションの活弁や、東京スカイツリーのマスコット「スコブルブル」の声、CMナレーション等、声優としても活躍している。

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川上 仁一〔武術家、忍術研究家〕

6歳頃より甲賀流忍術の伴家忍之伝を学ぶ。幼少期は呼吸法に始まり、静かに動く歩法や体関節の外し方、視覚や聴覚を研ぎ澄ます訓練など忍術の基礎を学び、成長に伴って薬草や火薬の調合といった専門知識も習得した。18歳で宗家の名を継承し「甲賀流伴党21代宗師家」となる。現在は福井県若狭町にて「神道軍伝研修所」を設け、忍術・武術・兵法などの研究と広報を行なっている。また、三重県伊賀市にある「伊賀流忍者博物館」の名誉館長も務め、2012年1月からは三重大学社会連携研究センターの社会連携特任教授に就任し、学術的な忍者研究にも携わっている。正に日本における「忍者」の第一人者である。

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アーロン・ヤマサト〔映画監督〕

ハワイ生まれ。アメリカで大人気のTVドラマシリーズ『パワーレンジャー』のキャスティング・エージェントとして、ハリウッドで活動、また短編アニメ作品の製作で受賞。矢沢永吉、北野武、スクリーミング・マッド・ジョージのプロジェクトに携わり学んだ経験を大切にしている。映画学校を卒業後、初監督作品として製作した長編アクション映画『Blood of the Samurai』が、ハワイ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞。アメリカを中心にDVDやVOD(Sony Playstation Network/Amazonビデオ)で配信されている。その他作品として、『Blood of the Samurai: The Series』、『Blood of the Samurai 2』そして、スピンオフテレビシリーズ『忍者EX』がある。

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立石 邦博〔日本忍者協議会 事務局長〕

フジテレビ系列の番組制作会社に勤務し、番組制作やイベント制作業務に従事する。2011年7月より、「一般社団法人伊賀上野観光協会 東京オフィス 忍者コンテンツ開発センター」を開設し、海外向け忍者番組や忍者コンテンツの開発を行っている。2015年10月には三重県や伊賀市など6県8市の忍者にゆかりのある自治体が中心となって設立された、「日本忍者協議会」の事務局長に就任した。

アジア・シネラマ

アジア・フィルム・アワード・アカデミー フィルムロードショー

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チョ・ヨンソク〔VFXスーパーバイザー〕

2000年代前半にVFXのキャリアをスタート。これまでには、カン・ドンウォン主演の歴史ヒーローアクション『チョン・ウチ 時空道士』(09、チェ・ドンフン監督)、サスペンスアクション『ベルリンファイル』(12、リュ・スンワン監督)、ハ・ジョンウとカン・ドンウォンの二大スターが激突するアクション『群盗』(13、ユン・ジョンビン監督)などの大作を手がけ、韓国映画界におけるVFX制作の最前線で活躍。『隻眼の虎』では、100%CGで虎を具現化しており、1年以上かけて200人以上のスタッフたちにより、風の向きや歩き方、雪原に残された虎の足跡などを綿密に計算して制作。第10回アジア・フィルム・アワードの視覚効果賞にノミネートされた。

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原田 眞人〔映画監督〕

1949年生まれ。1979年『さらば映画の友よ インディアンサマー』で監督デビュー。1995年『KAMIKAZE TAXI』は海外でも高い評価を受け、その後『金融腐蝕列島[呪縛]』(99)、『突入せよ!「あさま山荘」事件』(02)、『クライマーズ・ハイ』(08)など話題作を送り出す。11年に監督した『わが母の記』で第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリを受賞。社会派作品のみならず『魍魎の匣』(07)、『RETURN(ハードバージョン)』(13)などエンタテインメント性の高い作品も手掛けている。1945年8月15日の終戦日を描いた『日本のいちばん長い日』(15)では累計動員100万人のヒット。現在、司馬遼太郎原作の映画『関ヶ原』(出演:岡田准一、役所広司、有村架純)を製作中。(2017年初秋全国公開)

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原田 哲男〔美術デザイナー〕

1965年、北海道生まれ。京都の松竹撮影所にて数々の映画・テレビ作品を担当する。『最後の忠臣蔵』(10)で第35回日本アカデミー賞最優秀美術賞を西岡善信氏と共に受賞。2015年、原田眞人監督と組んだ『駆込み女と駆出し男』(15)が第69回映像技術賞を受賞。また、第10回アジア・フィルム・アワードの最優秀美術賞にノミネートされた。同年公開の同じく原田監督作品『日本のいちばん長い日』において、第70回毎日映画コンクール美術賞、第39回日本アカデミー賞優秀美術賞を受賞。主な作品歴に、木村祐一監督『ニセ札』(09)、朝原雄三監督『武士の献立』(13)などがある。

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ロジャー・ガルシア〔アジア・フィルム・アワード・アカデミー/香港国際映画祭事務局エグゼクティブディレクター〕

1970年代後半より香港国際映画祭ディレクターを務め、アジア・香港映画の世界への発信に貢献。アメリカ・ヨーロッパ・アジアの多数映画祭に、プログラマーや顧問、審査員として携わる。またアメリカとアジアにおいてスタジオ並びにインディペンデント映画を製作し、アメリカではアジア映画チャンネルの編成を担当。さらに英国映画協会(BFI)、カイエ・デュ・シネマ、フィルム・コメント、ヴァラエティなどの有名紙に映画評論を寄稿しており、最新の著書としては“King Hu: In His Own Words”がある。2010年より香港国際映画祭エグゼクティブディレクターに就任。アジア・フィルム・アワード・アカデミー(AFAA)、香港アジア映画投資フォーラム(HAF)も手がけている。 

京都フィルムメーカーズラボ スクリーニング

~カムバックサーモン ・プロジェクト~

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Yuki Saito〔映画監督〕

1979年千葉県生まれ。高校卒業後に渡米し、本場ハリウッドで8年間映画を学ぶ。2006年に帰国後は、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バベル』他、名匠の撮影現場に参加。2015年、短編映画『ゴッサム ジャンブル パフェ』でショートショートフィルムフェスティバル&アジア史上初となる4度目の「観客賞」を受賞。また、農林水産省とコラボし日本食文化をテーマに制作された短編映画『しゃぶしゃぶスピリット』は、世界各国40以上の映画祭で上映され活躍を世界に広げている。2016年4月クールに放送された「昼のセント酒」(TX)が話題を呼ぶ。2016年秋には商業長編デビュー作として川端康成原作「古都」を現代版にアレンジし、松雪泰子(一人二役)を主演に迎え、橋本愛、成海璃子、伊原剛志、奥田瑛二など実力派俳優が出演し、原作の未来を描く映画『古都』の世界公開が控えている。

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ジョルジア・ファリーナ〔映画監督〕

幼い頃から映画に魅了され、大学で社会学を学んだ後にコロンビア大学映画学科で修士を取得。その間制作した短編映画は、ヴェネチア国際映画祭短編映画部門で紹介されたほか、米国映画批評会議賞の学生部門で受賞。その後、脚本やドキュメンタリー監督として経験を積み、『Bello di Mamma』(12)は国営テレビで放映された。2013年、28歳で制作した初長編映画『Amiche da Morire』はシチリアの小さな村で暮らす3人の女性を主人公に、イタリアでの女性の役割について描いたブラックコメディで商業的な成功を収めた。本作『わたしが棄てたナポレオン』は国内外の配給が決まっている。本作で、イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞にて最優秀新人賞ノミネートするなど、さらなる飛躍が期待されている若手監督。

時代を彩る禁断の恋

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淺井カヨ〔日本モダンガール協會 代表〕

「日本モダンガール協會」代表。昭和51(1976)年名古屋生まれ。東邦高等学校普通科美術・デザインコース(現・美術科)一期生、愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸家デザイン専攻卒業。2007年「日本モダンガール協會」設立。大正・昭和に関する催事の企画・展示・講演などを行う。平成28年(2016)年秋、大正末から昭和初期の洋館付き住宅を模した「小平新文化住宅」が完成。著書に『モダンガールのスゝメ』(原書房)、共著に『東京府のマボロシ』(社会評論社)がある。